果樹の育て方

カキの育て方・栽培方法

カキの写真 カキ(柿)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。
栽培難易度 (ふつう)
植え付け時期 11月中旬~12月下旬(温暖地)、3月(寒冷地)
収穫時期 9月~12月
カキの栽培カレンダー
植え付け収穫開花剪定
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カキはこんな果樹

  • カキノキ科の落葉果樹。渋柿の栽培適地は東北地方以南。甘柿の栽培適地は関東地方以西(甘柿は気温が高い地域でないと渋が抜けない)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は品種によっては必要になる。花芽分化は7~8月頃(花芽は混合花芽)。

  • カキには甘柿と渋柿がある。甘柿には受粉して種が多く入るほど甘くなる不完全甘柿と、常に甘くなる完全甘柿がある。渋柿には種が入ってもごく一部しか甘くならない不完全渋柿と、常に渋い完全渋柿がある。甘柿はそのまま生食できるが、渋柿は渋抜きが必要。

  • 品種には、果汁が多く食味良好の渋柿『太月』、完全甘柿で雄花がある『太秋』、不完全甘柿で外見が黒い『黒柿』などがある。

カキの育て方(1) 植え付け

  • カキの苗木の植え付け時期は11月中旬から12月下旬(温暖地)と3月(寒冷地)。

  • 苗木は60~70cmの高さで切り返して植える。カキの根は黒いのが特徴。

  • カキには雄花をつけない品種がある。雄花をつけない品種を栽培する場合は、雄花をつける品種を受粉樹として植える必要がある。ただし、単為結果性の強い一部の品種(次郎、平核無、愛宕など)では、受粉樹は必要ない。

カキの育て方(2) 摘蕾

  • 開花の10日ほど前になったら摘蕾を行う。

  • 蕾が1枝1個になるように、枝の中央部にある下向きの蕾を残し、それ以外の小さな蕾や上向きの蕾を摘み取る。雄花は受粉に必要なので摘み取らないようにする。

カキの育て方(3) 人工授粉

  • 着果を確実にする場合は、開花後3日以内に雄花の花粉を雌花につける人工授粉を行う。

  • カキの花には雌花、雄花、両性花がある。雌花は大きい花が単体で咲き、雄花は小さい花が3つ1組(3つ以外のときもある)になって咲く。

カキの育て方(4) 摘果

  • 生理落果が終わる7月になったら、摘果を行う。

  • 葉20~25枚に対して1果となるように、変形果や病害虫果を取り除く。

カキの育て方(5) 収穫

  • カキの収穫時期は9~12月。

  • 果実がオレンジ色に色づいた頃に収穫をする。渋柿は渋抜きが必要。

カキの育て方(6) 肥料

  • 肥料は毎年、12月に有機質肥料、7月と収穫後に速効性の化成肥料を施す。

カキの育て方(7) 剪定

  • カキの剪定時期は1月上旬から2月下旬。

  • 花芽は新梢の先端付近につく(7~8月頃)。

  • 剪定では間引き剪定を主体にする。徒長枝や込み合った部分の枝を間引き、樹冠内部までよく日が当たるようにする。前年、実がついた枝には実がつきにくいので、前年、実がついた枝は先端を切り返し、新梢を発生させる。花芽のついた枝先は切り返さないよう注意する。

  • 仕立て方は開心自然形、変則主幹形などが向く。

渋柿の渋抜き方法

  • 渋柿の渋抜きをするには、焼酎など35度以上のアルコール(エタノールでも可)にヘタの部分を浸したあと、ポリ袋にカキを入れて空気を抜いて密封し、20℃前後の室内に置いておくと1週間程度で渋が抜ける。

  • 40~42℃のお湯に半日~1日浸けておいても渋は抜ける(湯ぬき)。


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