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サトイモ(里芋)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 4月中旬~5月上旬 |
収穫時期 | 10月~11月 |
サトイモはこんな野菜
サトイモ科の野菜。生育適温は25~30℃。芋は5℃以下で腐敗する。高温多湿を好み、乾燥には弱い。発芽適温は25~30℃。発芽の最低温度は15℃。適正土壌pHは6.0~6.5。毎年同じ場所で栽培すると連作障害が発生するので、4~5年あける。1株あたりの収穫量は20個程度。
サトイモは種芋から伸びた茎葉の基部に親芋ができる。その後、その親芋に子芋がつき、子芋に孫芋がつく。品種には親芋を食べる品種、子芋を食べる品種、子芋と親芋の両方を食べる品種、葉柄を食べる品種がある。
品種には、福井県大野地方の在来種で子芋がたくさんできる『大野いも』、親芋と子芋が一つの塊になる『やつがしら』、芋が細長い『京いも』などがある。
サトイモの育て方(1) 土作り
畑は使用する2週間前までに耕し、苦土石灰を100g/m²散布して、土とよく混ぜておく(土壌酸度の調整)。
サトイモの栽培には幅100cmの栽培スペース(1条植え)が必要。水はけのよい畑では畝は立てなくてもよい。元肥は植え付け時に施す(置き肥)。
サトイモの育て方(2) 植え付け
サトイモの種芋の植え付け時期は4月中旬から5月上旬。
植え付け当日になったら、栽培スペース(幅100cm)の中央に幅と深さが15cm程度の溝を掘る。溝に株間30~45cmで種芋の芽を上にして並べ、種芋と種芋の間に元肥として、牛糞堆肥200g、化成肥料(8-8-8)30gを置いたら、溝を埋め戻す。その際、元肥が種芋と接触しないように置く。覆土は7~8cmにする。土に湿り気があれば、植え付け直後の水やりは不要。通常、芽が出るまでには3~4週間ほどかかる。
サトイモの育て方(3) 種芋の芽出し
サトイモは芽出ししていない種芋を植えると、生育にばらつきがでたり、土中で種芋が腐敗して欠株が出たりすることがあるので、種芋には芽出ししたものを使用するとよい。
種芋の芽出しをする場合は、植え付けの1ヶ月ほど前に行う。コンテナに用土を入れ、芽部を上にして種芋を仮植えして(覆土2~3cm)、水をかけて、透明のビニールで覆う。日中は日当たりのよい場所にコンテナを置き、夜間は室内に取り込む。芽が3~4cmほど出たら、植え付けをする。
サトイモの育て方(4) 土寄せ・追肥
本葉5~6枚になったら、芋を太らせるため、株元に5cmの土寄せをする。最初の土寄せから1ヵ月後、さらに10cmの土寄せをする。土寄せのたびに追肥(化成肥料30g/m²)を施す。
サトイモの育て方(5) 収穫
サトイモの収穫時期は10~11月。
茎を刈って、株から少し離れたところにスコップを入れて、芋を掘り出す。霜が降りる前までに収穫を終えるようにする。
芋を翌年の種芋にするため、長期保存する場合は、水はけのよい場所に深さ60cm程度の穴を掘り、底にモミガラを入れる。芋の茎部を下にして積み重ね(親芋と子芋はバラさない)、穴をモミガラで埋めて、20cmほど盛り土をする。親芋も種芋として利用できる。
サトイモの土寄せ不要のマルチ栽培
サトイモ栽培では通常、生育中に土寄せをする必要があるが、土寄せをする必要のない省力的な栽培方法もある(マルチ栽培)。
マルチ栽培をするときは、肥料を入れた畑に幅60cm、高さ20cmくらいの畝を立てて黒マルチを張る。マルチの上から、深さ20cmくらいの植え穴をあけて、種芋の芽を上にして、15cm覆土(マルチ面から種芋の上まで15cm)して種芋を植え付ける。植え付けには芽出しした種芋を使用する。
深めに植えることで、本来必要な土寄せ作業を省くことができる。張ったマルチは収穫まで除去しない。
サトイモのプランター栽培
プランターで栽培する場合は、幅70x奥行30x高さ30cmのプランターを使用して、2株(株間30cm)を栽培する。生育中に増し土をするので、植え付け時にその分のスペースを空けておく。