![]() |
タラノキ(タラの芽)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
---|
植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
---|---|
収穫時期 | 4月(2年目以降) |
タラノキはこんな山菜
ウコギ科の落葉樹。栽培適地は全国。多湿には弱い。適正土壌pHは5.5~6.0。
タラノキ(タラの木)の新芽をタラノメ(タラの芽)という。タラノキはあまり枝分かれせずに幹が直立して成長する。枝にはトゲがあるが、トゲの少ないトゲなし系の品種もある。
タラノキの育て方(1) 植え付け
タラノキの種根の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
長さ15cmにカットした種根を水平にして、株間60cm、覆土5cmで植え付ける。
植え付けに使用する種根は鉛筆以上の太さのものが望ましい。種根を植え付けた場合、秋には樹高1m程度にまで成長する。
市販の苗を植え付けてもよい。
タラノキの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、3月に緩効性の肥料を施す。
タラノキの育て方(3) 収穫
タラノキの収穫時期は4月(2年目以降)。種根植え付けの翌春には収穫ができる。
頂芽が10cm前後に伸びた頃に、剪定鋏などで付け根から切り取って収穫をする。最初は頂芽を収穫し、その後、やや下から伸びてくる第1側芽、第2側芽も収穫する。
ふかし促成栽培をすれば、枝についた側芽をすべて収穫できる。
タラノキの育て方(4) 剪定
第2側芽まで収穫したら、1~2芽(節)残して、枝(幹)を株元から切り取る(4~5月頃)。タラノキの剪定はこれだけでよい。
2年目以降になると株から発生する枝数も増え、収穫量も増えていくが、タラノキは大株になると枝が貧弱になり、大きな新芽がとれなくなってくるので、枝数を2本くらいに減らすとよい。
ふかし促成栽培をする場合
タラノキの主な栽培方法には露地栽培とふかし促成栽培がある。
露地栽培は露地で栽培し、春に新芽が出たところを収穫する方法。ふかし促成栽培は、1芽ごとに切った穂木(枝)を温床に挿して、1~3月頃に新芽を早出しさせて収穫する方法。
家庭でふかし促成栽培をする場合は、発泡スチロールなどの箱を用いて水浸法で行うのが手軽でやりやすい。ふかし促成栽培をすれば、枝についた側芽をすべて収穫できる(ふかし促成栽培には新駒という品種が適している)。
ふかし促成栽培(水浸法)をする場合は2~3月頃に行う。露地栽培で育てたタラノキを1~2芽(節)残して株元から切り取り(穂木の採取)、さらに、切り取った穂木を1芽ごとに芽の上から斜めに切断する。暖かい室内に発泡スチロールなどの箱を置き、1芽切りの穂木を箱の中に斜めに立てて並べ、水深が5mmになるよう水を入れる。水がなくなったら、半日ほど放置して穂木を乾燥させて(穂木の腐敗防止)、水を同量補充する。
ふかし促成栽培では新芽が7~10cm程度、伸びた頃に収穫をする。栽培を始めてから1ヶ月ほどで収穫できるようになる。収穫後、穂木は廃棄する。
株を増やす場合
株を増やす場合は、3~4月頃に1年間養成した株を掘り上げ、根部を種根として利用する。