![]() |
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
---|
栽培難易度 | (易しい) |
---|---|
植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 12月~1月 |
ナツミカン・アマナツ・ハッサクはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(アマナツは年平均気温が16℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域。ハッサクは年平均気温が15.5℃以上で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹はナツミカン、アマナツは不要だが、ハッサクは必要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
ナツミカンは山口県で発見された柑橘類で、別名、夏ダイダイとも呼ばれる。果実は400~500g程度と大きく、酸味が強いのが特徴。アマナツと違って、ナツミカンの果実はほとんど流通していない。
アマナツ(甘夏)はナツミカンの枝変わり(変異種)で、ナツミカンより、酸味が少なく食べやすいのが特徴。別名、川野夏ダイダイとも呼ばれる。
品種には、甘夏よりも酸味が少なく食べやすい『紅甘夏』、八朔の枝変わりで普通の八朔より糖度が高い『紅八朔』などがある。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(1) 植え付け
ナツミカン、アマナツ、ハッサクの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
ナツミカン、アマナツは自家結実性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要。
ハッサクは自家結実性が低いので、ナツミカンやアマナツなどの受粉樹の混植が必要。単植では種子のない小さな果実になる。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(2) 人工授粉
ハッサクは開花したら、ナツミカンやアマナツなどの花粉を用いて人工授粉する。人工授粉することで、実つきがよくなり、果実も大きくなる。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(3) 摘果
摘果は生理落果後の7月下旬から8月中旬頃に行う。
ナツミカン、アマナツでは葉100~120枚あたり1果、ハッサクでは葉80~100枚あたり1果になるように傷果や小玉果などを取り除く。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(4) 収穫
ナツミカン、アマナツ、ハッサクの収穫時期は12月中旬から1月上旬頃。
暖地以外では、寒害をうけないように、12月中旬から1月上旬頃に収穫し、収穫後、貯蔵して減酸させてから食べる(ハッサクの場合は5℃で1~2ヶ月貯蔵)。
暖地では樹上越冬させて、アマナツ、ハッサクは2月から3月頃、ナツミカンは4月から5月頃に収穫して食べるとおいしい。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(5) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ナツミカン・アマナツ・ハッサクの育て方(6) 剪定
ナツミカン、アマナツ、ハッサクの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
ナツミカン、アマナツ、ハッサクを剪定する場合は、切り返し剪定はなるべく控えて、込み合った部分の枝を間引く、間引き剪定を主体にして、樹冠内部までよく日が当たるようにする。
仕立て方には開心自然形などが向く。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、ミカンの隔年結果対策を参考にする。