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ミカンの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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栽培難易度 | (易しい) |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
収穫時期 | 10月~12月 |
ミカンはこんな果樹
ミカン科の常緑果樹。栽培適地は関東地方南部以西(年平均気温が15~18℃で冬の最低気温が-5℃以下にならない地域)。実がなるまで4~5年かかる。受粉樹は不要。花芽分化は1~3月頃(花芽は混合花芽)。
品種には、果皮が普通のミカンより紅い『小原紅早生』、浮皮が少ない『寿太郎』、極早生の『日南の姫』、紀伊國屋文左衛門が江戸へ運んだとされる『紀州みかん』などがある。
ミカンの育て方(1) 植え付け
ミカンの苗木の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
苗木は高さ50~60cmで切り返して植える。
単為結果性が強く、受粉しなくても結実するため、受粉樹は不要。
温暖な地域以外で栽培する場合は、熟期の早い品種を選ぶ。
ミカンの育て方(2) 摘果
隔年結果を防ぐために、結実したら摘果を行う。
摘果は生理落果後の7月下旬以降に行い、葉25~30枚あたり1果になるように、傷んだ実や小さい実などを取り除く。
ミカンの育て方(3) 収穫
ミカンの収穫時期は10~12月。
果皮が緑色からオレンジ色に色づいた頃に収穫する。
遅くまで果実をつけておくと花芽のつきが悪くなるので、年内には収穫を終えるようにする。
ミカンの育て方(4) 肥料
肥料は毎年、3月に有機質肥料、6月と10月下旬から11月上旬に速効性の化成肥料を施す。
ミカンの育て方(5) 剪定
ミカンの剪定時期は3月。
枝は年3回、春・夏・秋に伸びる。花芽は前年の春枝(春に伸びた枝)によくつく(1~3月頃)。前年、実がついた枝には花芽はつかない。
剪定では込み合う部分の枝を間引いて、樹冠内部まで日が当たるようにする。枝は開くように誘引すると花芽がつきやすくなる。
隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)する場合は、隔年結果対策を参考にして剪定する。
仕立て方には開心自然形などが向く。
ミカンの育て方(6) 隔年結果対策
ミカンなどの柑橘類は、前年、実がついた枝には花芽がつかないため、ほかの果樹に比べ、隔年結果(着果の多い表年と着果の少ない裏年を交互に繰り返すこと)しやすい。
対策として、前年が表年だった場合は、不要枝を間引く程度の軽い剪定にとどめて、花芽をできるだけ残し、前年が裏年だった場合は、切り返し剪定を多めに行い、結果母枝(春枝)を多く発生させるようにする。
切り返し剪定をするときは、夏枝・秋枝を切り返す。春枝+夏枝のように伸びた枝では、春枝と夏枝の境のところで切り返す。春枝+夏枝+秋枝のように伸びた枝では、夏枝の中間で切り返す。
春枝・夏枝・秋枝の見分け方は次のとおり。春枝は節間が短く充実している。夏枝は節間が広く、葉が大きい。秋枝は節間が広く、貧弱なものが多い。春枝は剪定したときの断面が円形だが、夏枝・秋枝は断面が三角形。