ジネンジョ、ナガイモ、ツクネイモの育て方

自然薯の写真
ジネンジョやナガイモ、ツクネイモは4月~5月に種芋を植え付けて栽培します。収穫時期は10月~12月です。地上部が枯れてきた頃に収穫します。ジネンジョは長さ1m以上にもなる芋です。ヤマイモと呼ばれることもあります。

栽培カレンダー

自然薯と長芋とつくね芋の栽培カレンダー
植え付け(関東) 収穫

基本情報

名称 ジネンジョ / ナガイモ / ツクネイモ
科名 ヤマノイモ科
栽培適地 日当たりの良い場所で育てる。乾燥に弱い。適性な土壌pHは6.0~6.5。
発芽適温 ジネンジョ、ナガイモの場合、萌芽には17℃以上必要。
生育適温 ジネンジョの場合、地温25℃以上になると吸収根(養水分を吸収する根)の働きが鈍くなる。また、地温が27℃以上になると、芋がくねくねと蛇行するようになる。ナガイモの生育適温は17~25℃。
植付時期 4月中旬から5月中旬
収穫時期 地上部が枯れてきた頃。
連作障害 あり(3~4年)
収穫量の目安 ジネンジョは1本あたり500~600g、ナガイモは1本あたり1kg。

植付場所

畝の大きさ 幅60~100cm(1条)、高さ10~30cm。一般的な台形の畝のほか、かまぼこ型畝にしてもよい。高畝にすれば、その分、深く耕さなくても済む。
株間 30cm

石灰散布量・施肥量

苦土石灰散布量 100g/m2
元肥の施し方 萌芽後に施す
元肥 化成肥料(8-8-8)100g/m2
追肥 化成肥料30g/m2(1回あたり)

おすすめの品種

自然薯 長いものでは1mを超える。粘りは強い。
短形自然薯 長さが30cm程度と短く、家庭菜園向き。粘りは強い。
長芋 長いものでは1mを超える。形状は円柱状。粘りは弱い。
丹波山のいも ツクネイモ。形状は塊形・丸形。粘りは強い。

生態・特徴

ジネンジョ(自然薯)、ナガイモ(長芋)、ツクネイモ(捏芋)はヤマノイモ科ヤマノイモ属に属するつる性の多年草。ジネンジョやナガイモは1mを超えることもある細長い芋で、ツクネイモは形状が塊形・丸形の芋。ジネンジョはヤマイモ(山芋)と呼ばれることもある。

夏になると、つる(葉腋)にはムカゴができる。できたムカゴは食用にしたり、繁殖に利用できる。ムカゴが少ないほど、地中の芋は大きくなるので、地中の芋を大きくする場合は、ムカゴを早めに取り除くとよい。つるが下垂するとムカゴが多くなる。なお、ツクネイモはムカゴの着生が少ない。

ツクネイモの写真

ジネンジョ、ナガイモ、ツクネイモの育て方

土作り・畝立て

畑は使用する2週間前までに、深さ20~30cm程度耕し、苦土石灰を適量散布して、土とよく混ぜておく(土壌酸度の調整)。

続いて、畝を立てる場所の中央(種芋を植える位置)に幅25cm程度の植え溝を掘る。植え溝の深さは、栽培する芋の種類(長さ)によって決める。長さが100cmにもなるジネンジョやナガイモなら掘る深さも100cm程度必要。ツクネイモなら、40cm程度、掘ればよい。深く掘るのが難しい場合、高畝にすれば、その分、深く掘らなくても済む。

植え溝は掘ったら、すぐに埋め戻すが、その際、芋が変形する原因となる、石などを取り除いておく。芋の伸びる場所(植え溝)が深く耕してあれば、畑全面を深く耕す必要はない。

1週間前になったら、1m2あたり2kgの完熟牛ふん堆肥をまいて、土とよく混ぜ、畝を立てる。芋の変形や変色などの原因になるので、植え溝には堆肥などの肥料分は混ぜないようにする。元肥は萌芽後に施す(生育初期は種芋に蓄積された養分で育ち、土壌からの養分吸収は少ないため)。

マルチを張る場合

畝にマルチを張らなくても栽培はできるが、マルチを張れば、雑草の防除、土壌の乾燥防止などに効果がある。使用するマルチは黒マルチ、または白黒マルチ(地温の上昇を抑える効果が高い)がよい。萌芽してつるが伸びてきた時にマルチを張ることもできる(この場合は2枚のマルチを使用し、畝の両側からつるを挟み込むようにして、畝全体をマルチで覆う)。

波板栽培・パイプ栽培

かたい土層があるなどの理由で、畑を深く耕すことが出来ない場合は、波板栽培がおすすめ。波板栽培では、長さ120cmの波板を20度の角度で傾けて畑に置いて、土をかぶせ、その上に種芋を植える。晩秋、埋めた波板を掘り出せば、芋を折ることなく、収穫ができる。

そのほか、地中に埋めた塩ビ製のパイプの中で芋を肥大させて、芋の掘り取りを簡単にした栽培方法(パイプ栽培)もある。

種芋の準備

植え付け前に種芋を準備する。種芋には子イモ、または切りイモを使用する。子イモはムカゴを前年の春から晩秋までの間、育てたもので、切らずにそのまま使用する。

切りイモは大きな芋を切り分けたもので、ジネンジョ・ツクネイモの場合、1片あたり50~80gに分割したものを使用する(ツクネイモは頂芽部を切り捨て、ミカン切り)。ナガイモの場合は100~150g程度に分割にしたものを使用する。切ったら、暖かく風通しの良い場所で20~25日程度乾燥させて、切り口をコルク化させておく。

ムカゴから子イモを作る場合は、春にムカゴを畑に植え付け(覆土3cm、株間6cm、条間20cm)、晩秋まで育てる。翌春になったら種芋として植え付ける。

植え付け

種芋の植え付けは4月中旬から5月中旬頃に行う。畝の中央(植え溝の真上)に種芋を植え付ける。覆土は5~6cmにする。ツクネイモ(切りイモ)の場合は、切り口を上にして植える。芽が出るまでには、2~4週間ほどかかる。なお、収穫する芋は毎年、種芋を養分にして新しく形成される(種芋は大きくならない)。

支柱立て・元肥・芽かき

萌芽してつるが伸びてきたら、2mの支柱を立てて、畝の肩部分に元肥を施す(追肥も同様の方法で施す)。1個の種芋から複数の芽が伸びたときは、芋の肥大が悪くなるので、1本を残して他の芽を摘み取る。

追肥

追肥は7月上旬から8月上旬の間に1~2回施す。

収穫

収穫は地上部が枯れてきた頃に行う。株の周囲にスコップを入れて土を崩し、折らないように芋を掘り取る。保存する場合は、芋をポリ袋に入れて、3~5℃くらいの冷暗所に置く。温暖な地域では、掘り出さないで、畑で越冬させることもできる。

つるにできたムカゴの収穫は10月頃から行う。収穫したムカゴは、ご飯と一緒に炊いて、ムカゴ飯などにする。

コンテナ栽培

コンテナ栽培には芋が長く伸びないツクネイモが適している。鉢で栽培する場合は、直径と深さが30cm以上ある鉢を使用して、1株を栽培する。プランターで栽培する場合は、幅70cm、深さ30cm以上ある大型のプランターを使用して、2株を栽培する(株間30cm)。